海の潮騒と森の囁きに囲まれた“ヌマヅ”で育った少女・ヨハネは小さな町に馴染めず“トカイ”へと飛び立っていく。「トカイでビッグになる」という夢を胸に──。しかしその漠然とした夢はまだ「音」に成りきれていない。心は音であり、世界は歌である。人も獣も、木も海も、みな、音を持つ。八百万がすべからく持つ音は集まっては散って、やがて音楽を成していく──。世界の中でどんな音を立てるのか、どんな音楽に成るのか。心の音を探す旅は、意外なスタートを切る。帰郷から始まる物語、『幻日のヨハネ -SUNSHINE in the MIRROR-』